allure 3月号 SUHO インタビュー


もしかしたら大きなサングラスでもかけて周囲の視線を避けるかもしれないと思ったが、スホはあまりにも自然な姿で、芸能人定番の帽子さえ被らず空港に現れた。
そしてそんな自然な姿は、全て旅行が終わって再びソウルに到着するまで続いたのだ。他にもスホとのスイス旅行は “EXOのメンバーだったら、きっとこうだろう”という予想が間違っていることを一つずつ教えてくれた。世界的スキー場シルトホルンでも合間があればジム(Gym)を探す規則正しい生活を過ごすアーティストであり、ただ眺めるだけでクラっとするアルプスの山々でパラグライダーをするほど大胆な冒険家であった。
過去と現在が混ざり合ったチューリッヒの湖畔では、朝早く起きてジョギングをして、最も行きたい場所にチューリッヒの美術館クンストハウスを挙げた。クンストハウスで所蔵しているゴッホの自画像の前でスホはしばらく立ち止まった。こうしてシルトホルンとチューリッヒを行き来しながら、地球上で最もファンが多いEXOのリーダーの素顔に会うことができた。
どんなことだって良いことはメンバー、そしてファンと一緒に分かち合いたいという優しさまで。インタビューは、私たちの2番目の目的地であったチューリッヒに向かう電車の中で行われた。窓の外にスイスが刻々と表情を変えていた。


▶︎すでに日程の半分が過ぎました。今回の旅行はどんな意味がありますか?

ヨーロッパにあまり来ない上に、スイスは人々が誰もが行ってみたい国なのでとても期待していました。この機会に風景を感じて共有したくて、カメラを新たに購入するほどワクワクしていました。


▶︎撮影もしているので完全な旅行ではないですが。ここに来たときに仕事という感じでした?それとも旅に出る感じでした?

確かに仕事に行くという感じではなかったです(笑)スイスで雑誌撮影をするというのがよくある事ではないですからね。雑誌撮影兼、旅行する気分?一瞬一瞬が楽しいです。すごく良くないですか?
▶︎どんな旅行が好きですか?ゆっくり休む派?それともアクティビティ派?

僕はアクティビティが好きです。自然と景色を感じることが好きで、この1月には、アメリカに行ってグランドキャニオンを訪れました。


◆それにしても昨日はパラグライダーをしたいと言ってびっくりしました!どうでしたか?高度が高くて、20分くらい飛んでいたじゃないですか。

本当に楽しかったです。忘れられないと思います。空から見るととても壮観です。大自然が限りなく小さくなる瞬間。でも僕が途中で叫びすぎて、その映像にも全部入っていると思います。次はメンバー達とスキーをしに来たいです。

▶︎メンバーにスイスの写真を送ってあげたりもしたんですか?

グループトークにはUPしました。でも遊んでるときに撮った写真は反応が弱いです(笑)その反面、撮影中の様子を撮った写真には、「大変そう」とか「頑張れ」とか。


▶︎ハハ。メンバーたちは今回のスイスの撮影は仕事だと思ってくれませんか?

そんなもんですよ?100%!チャニョルが雪の写真を送ってと言うので、僕はワールドクラスの風景を見せてあげたんです。
▶︎新年が明けたばかりですが、いつからか常に新年にEXOを見るようになっていました。歌謡大典(年末歌番組)をすると常に最後に出てくるじゃないですか?“クッパンワン(最終的な王)”みたいな感じで。

はい、すごく負担ではあるんですが…僕たちがエンディングには大体いつも立たせて頂いてました。


▶︎なんと4年もの間ずっとじゃないですか?どんな気分なんですか?

ありがたいことに4年連続大賞を頂いて、ほぼ最後のステージに立たせて頂き、ますます負担でなりません。他の素晴らしい先輩・後輩の歌手の方のステージをたくさん見てきているので、さらにちゃんとやらなくてはという思いや、この賞に恥ずかしくないステージを見せしなければならないという思いが常にあります。


▶︎“EXOがまた伝説を塗り替えた”…このようなヘッドラインももう慣れましたか?

今年も僕たちに多大な宿題が課されているのではないかと思います。賞が重要なのではなく、どれだけ経っても、良い歌手として記憶されていたいので、この一年一年が重要だと思います。会社はもちろん、メンバーたちの間でも、“今年だけうまくいけばいい "という言葉を3〜4年言っています。


▶︎賞が発表されると受賞される前にメンバー同士で集まって、少しの時間を持っていないですか?その時にはどんな言葉をかけるんですか?

よくやった、来年もがんばろう。こんな言葉をよく言っています。


▶︎受賞コメントを担当することが多いですが、事前に準備していますか?

準備をある程度はします。大学入試時に先生がおっしゃったんです。率直に話をするのが正解だ、作られたことを話しているのは、人の心を揺さぶることができない、と。デビュー初めの頃はあまりにも覚えた通りの話をして、周りからアナウンサーのようで人間味がないと言われたんですよ。その時から舞台上がる前に、5〜10分考えながら即興的に思ったことをたくさん言おうとしています。メロンミュージックアワードでジェイクスキス先輩たちの舞台がとても感動的だったので、事前に準備した受賞コメントをすべてひっくり返して、その後感じたことをすぐに話しました。そしたら多くの方がよかったと言って下さって。

▶︎EXOが出演する放送や、自身のVアプリを見ると、チームで進行者の役割をしている場合が多いですね。メンバーたちとトークを進行するのはどうですか?

もっと重荷です。メンバーたちが僕の進行が面白くなかったら責めながらいたずらするんですよ。そんなことが面白い要素になるんだと思います。ベッキョンがいつも主導すると、生きる楽しみが僕をからかうことなんじゃないかと...


▶︎ハハ!ベッキョンさんも一緒に来ればよかったですね。

率直に言えば、長時間飛行機に乗ることが苦痛なメンバーも結構いるんです。休暇の時もアジア地域を抜け出せないんです。ソウルを抜け出せないメンバーも多いんですよ。


▶︎EXOアルバムを聞いてみると、音楽的にますます成熟しているのが感じられます。

メンバーたちも個人個人大きく成長していて、僕たちの曲を収集するA&Rチームが熱心に取り組んでくださいました。僕たち一人一人にも音楽に対して勉強を続けていますし、チャニョルがとても熱心にやってます。音楽の成長は僕達とSMのA&Rチームが一緒に成熟したからだと思います。僕たちの意見もますます反映されるようになりました。


▶︎今回のアルバムではどの曲に意見が反映されましたか?

タイトル曲『Lotto』もそうです。他の曲もあったんですが、6:4ぐらいの意見でこの曲がタイトルになったんですよ。他の曲は“ザ・少年”のようなら感じだったので、一昨年ぐらいだったらまだ良かったんですが。『Lotto』は何だか、より成熟した男の感じがしたんです。クールな雰囲気を演出したくてこの曲を選びました。


▶︎より成熟した姿を見せなければならないという方向性があるんですか?

それは、すべてのメンバーが同意すると思います。特に振り付けの面で、成熟したクールな雰囲気を押し出すことができる曲を望んでいたと思います。メンバーが意見を積極的に出したら、僕が全体の意見をまとめます。

▶︎今回のアルバムでは、特にスホの声の魅力を感じることができるバラードナンバーが多かったよう似てる思います。『White noise』のような曲もそうでしょう。

まだまだだとは思いますが、それでもたくさん成長したと思います。練習生時には、与えられたものだけ、言われたことだけをしてきたので。メンバーや友人の中にも、自分だけの色を確立する人達も居て。それで録音された自分の声をたくさん聴きながら僕だけの色を見つけようと努力しました。僕は練習生生活も長かったので、練習生のときよりもデビューしてから実力がもっと上がりました。やっぱり練習生の時の基礎を確かめながらやると、そうなるみたいです。


▶︎実はダンス担当のメンバーではないのに、ダンスでも成長が感じられるんですが?

ダンスはダメです。今もダメなんですよ? (笑)


▶︎『Monster』のとき、とても素敵な独舞パートを踊っているじゃないですか!

あのダンスは本当に大変なダンスなんです。他のメンバーも難しいというくらい。気持ちを充満させなければならいのに、僕にそんな“Feel”が足りなくて本当に練習をたくさんしました。でもコンサートを続けていると、力が抜けて、時にはすごくFeelが入ってきて壊れました。また衣装によってダンスの感じも変わるんです。最近の授賞式のステージは、個人的に満足していませんでした 。


▶︎EXOはデビュー時からかっこいいダンスを見せてくれていましたね。かなり難しく見えますが、以前、<無限に挑戦>とのコラボレーションを見て、二日後にダンスをすべて完成させてましたよ?みんな天才ですか?

ハハ。よく見ると同様の動作があって、以前よりダンスを完成させるのが易しいのは事実です。僕はちょっと欲が出て個人レッスンを受けてるんですよ。頻繁にやることができないので、時間が空くたびにしています。


▶︎唯一、覚えるのが難しかったダンスはありますか?

『Lucky One』です。皆さんあのダンスが簡単だと思われるんですけど、とにかくステージに立つと体力的に大変で死にそうになります。かっこよく魅せるには難しい動作が多いです。僕が尊敬する振付師であるトニー・テスタと『中毒』と『WOLF』を作り上げましたが、意外とそっちの方が僕にはよく合って、難しくはなかったんです。僕は『中毒』のダンスがいちばん好きです。歌もコンセプトも全て気に入ってます。


▶︎スイスに到着してソロ曲『カーテン』が発表されたじゃないですか?どんな曲なのかいち早く聞いてみると、ジャズ風の柔らかな曲のようですね。

僕がそんな感じにして欲しいと思って、作曲家さんとたくさん話をして、長い時間をかけて準備しました。一つの楽器に声を乗せたくてピアニストの方とコラボをしたんです。 SM STATIONは何というか、商業的なプロジェクトではないんです。


▶︎この曲でどんな姿を見せたかったんですか?

僕は音を聴かせたいと思っていました。EXOはベッキョン・ディオ・チェンという優れたボーカルがいますが、スホというアーティストもいることを一度くらいお見せしたかったんです。運良くいい曲に出逢うことができました。


▶︎最近はEXOのメンバーの個人活動もたくさん増えましたか?

メンバー毎にしたいことも多く、実力もさらに上がってきているので、時間があればやってみようと会社でもたくさん助けて下さいます。ドラマ『宇宙の星が』も、僕が演技をしたくて出演することになりました。映画やドラマのどんな小さな役柄でもいいからやりたくて探していたんです。


▶︎私も『宇宙の星が』を9話まで見てきました。芸能人の話なので共感する場面が多いと思います。例えば、幼い子たちが「ウジュだ!」と言ったら「俺がお前の友達か?」と返すシーンのように。

ハハ、幼い子たちがやたらにタメ口を言っても、したい話が重要です。僕も「お!アンニョン!でもヒョンにタメ口はしないでね?」と言ったことはあります。まず、ウジュが歌手という役柄ということで、僕と共感できました。ステージで一人で歌う場面がありましたが、そのようなことはよく経験する状況です。車に乗って移動するとき、マネージャーヒョンや、会社の方がアドバイスをするシーンもです。僕は耳にイヤホンを差し込んで遮断することはありませんが。ウジュとよく似てる面がたくさんありながらも違っています。


▶︎どのような面が似ていますか?

人は誰でも明るい面も暗い面もあるんじゃないでしょうか?僕がいちばん暗かったとき、気分が最悪だったとき、すごくやつれているときの僕の姿を借りて表現しました。ですが、ウジュはいつもその状態なんです。僕がいちばん気分が良くないときが、平常のようにあるんです。


▶︎それがヒロインに会って変わりますね?

ドラマが長くないので、早く変わらなければならなかったんです。おそらく、今(放送している回で)変わったと思います。

▶︎芸能活動のために学業を中断しましたが、元々は演技で韓国芸術総合学校に入学しましたね。

僕が練習生だった高3の時、足を怪我したんです。1年ほどダンスができなくて、すぐにダンス歌手としてデビューしにくい状況だったんです。だから、その時に何をすることができるのだろうと悩んで演技科の大学に行こうと思いました。活動しながらも演技を再びやらなければ、という気になったので、こうして『グローリーデイ』と出逢い、演技をまたやることになったんです。


▶︎ステージとはまた違う楽しみがありますよね?

ステージとは違って、演技は変数(状況変化)から来る楽しみがあると思います。屋外シーンなのに雨が降って室内で即興で撮影したりする変数のおかげで、さらに良くなったりもします。新しい人達にお会いすることも面白いですよ。撮影現場ごとに他の監督や共演者の皆さんに会うので、毎回新鮮な気持ちになります。


▶︎今年は何をやってみたいですか?

ハァ...。


◆あれ、なぜ深いため息を...

演技で活動する場合、今年は映画でもドラマでも小さな役割でもいいので、素晴らしい先輩の方々とご一緒してみたいんです。今までの作品では信じられないほど、僕はいつも主演をしているんですよ。ディオがチョ・ジョンソク先輩と共演していたのがあまりにもうらやましかったです。ヒョンたちと演技や人生についての話もたくさんして共有したいです。


▶︎親しい俳優たちもたくさんいますよね?

ビョン・ヨハニヒョン、イ・ドンフィヒョンと仲が良いですが、撮影現場で会うわけではないので。会えば半分以上が演技の話、映画の話です。お互いに台本を見せ合うんですよ。学校の卒業生や、通っている同期、先輩後輩たちに会えば演技の話にしかならないんです。演技の練習をするときは学校に行って練習するんですよ。なので知らない後輩たちとも会ったりして。

▶︎EXOの他のメンバーもますます演技で領域を広げていますが、お互いに話をたくさんするんですか?

よく話すことはないですが、よく応援してくれます。ディオとシウミニヒョン(※インタビューではヒョンと記載されていましたが本当にそう言ったのかは謎です)が撮影現場でミカンとビタミンを持って応援に来ました。


▶︎EXOとしてはどのような計画がありますか?

どういう風になるかは状況に応じて異なりますが、これまで以上にたくさんグループとしての活動をする年になると思います。僕の人生は『質量保存の法則』だと思うんです。幸せなら不幸なことが起こって、不幸なら幸せなことが起こると思っているんですよ。僕も地球上の一点であるだけだからと、一喜一憂せずに気楽に2017年の活動が出来たらいいですね。これは僕自身の2017年の覚悟です。


▶︎それにしても、他のメンバーもおらず一人でいるとなんだか寂しく見えますね?

寂しいです(笑)