CeCi 2016年 4月号 SUHO インタビュー


『俳優の名前は、キム・ジュンミョン』


〈グローリーデイ〉で俳優の夢を叶えたEXOスホ、キム・ジュンミョンの笑顔と一緒に春が来た。

インタビューに先立って、二度スホを見かけたことがある。一度はグラビアの撮影中。EXOのメンバーたちは順番にスホの名前を呼んだ。それぞれ彼に言いたいことが違うからだ。別の広告撮影現場で会った時は、一日中冷たい風に悩まされ、体調が良くないにも関わらず、彼は立派な顔で座っていた。授賞式で受賞され、歌番組で1位を獲得したとき「We are One!」と叫んで受賞の感想を最も多く披露するEXOのリーダーの姿でだ。

舞台に立ったスホもその延長線上にある。彼は完璧に振り付けを消化して、即行性よりもパフォーマンスの完成度を高めるために励んでいる。根底には、作曲家、振付師の舞台演出家の視点やスタッフの意図についての理解が組み敷かれている 。きっと彼らスタッフの目から見ると、本当に感謝されているだろうと推測してみる。外に表れる誠実さと責任感がインタビューにもそのまま盛り込まれるだろうと思って、彼と向かい合って座った。

「ところで、僕がなぜ正しく優しいだけだと思われたのですか?」インタビューの終わり頃首をかしげながら、彼は逆にこちらに質問を投げた。スホとキム・ジュンミョンを行き来した対話は、その時から完全に状況が変わった。予測不可能なポイントを突くスホはTVで見ることができない表情を浮かべた。




リーダーの役割がよく似合う人だと思いました。与えられた役割にスホ氏が合わせたんですか?それとも生まれつきの気質のせいでしょうか?

ありがたいことに偶然このようにリーダーを務め、責任を持ってきたのは確かです。僕より若いメンバーに比べて知っていることも多く、一方で、僕が導いていく方が楽だったんです。しかし、実際には前に出て主導する性格ではないんです。『ドキドキインド』に出演した時も、ヒョンたちが先頭に立ってくれるから、さらに気楽だったんです。だから、普段遊ぶときもヒョンたちの方がよく合うんです。



普通の職場の責任者でも容易ではない大衆の前に代表として出る気分はどうなんだろうと思いました。


そういった場所(機会)が人を作るんだと思います。時々はヒョンたちと遊んでも、僕が主導していかなければと不安になりましたが、必ずそうする必要もなかったです。



スホ氏の人生で最大の逸脱は何ですか?


特にありません(芸能人になろうとした時も両親は快諾しましたか?)快くではなく、大学に行きなさいと言われましたが、その間も諦めなかったから信じてくれたみたいです。とりあえず、オーディションを受けてみて落ちればどうしようもないだろう、って。僕が親に手を広げたのでもなく(笑)実際に両親は僕を止める理由がなかったんです。



反対すれば折れる人がいて、トラブルが生じても、最終的に必要に応じて導く人がいる


将来、僕が親になって子供がもし何かしたいと言ってきたら、意見を述べることができても、止めることはできないと思います。僕も子供がしたいことをさせるでしょう。




《誠実さと才能が出逢った時》
映画『グローリーデイ』が自分のフィルモグラフィー最初の作品として残したかったとスホは力説した。作品に対する愛情を推測することができる彼の話。


韓芸総(韓国芸術総合学校)合格がスホさんの人生の最初の成就だとおっしゃっていたのを見たことがあります。それ以降、記憶に残る成果は何ですか?


2回あります。1つは映画『グローリーデイ』がクランクアップした日です。主演でも端役でも映画に出演して演技をして、“俳優”という言葉を聞くようになって本当に感激したし、幸せでした。そして昨年にコチョクドームで2万人のファンの前で

『愛に溺れたい(キム・ジョハン)』という曲でソロステージを披露した時です。グループのメンバーとして活動しながら、ひとりで曲を歌う機会がほとんどありません。なので、ぜひ歌ってみたかった。歌に以前よりも心を注いでいるんですよ。もちろんEXOで初めてショーケースをしてデビューした時も特別でしたが、初めてひとりで3分30秒のステージを終えた達成感が大きかったです。



人々に良い影響を及ぼしたいと芸能人を夢見ました。芸能人でなくてもできるのではないですか?ハンサムなのは早くから分かっていたのでは? (笑)


子供の頃、映画やドラマを見ながら、主人公に感情移入するのが好きだったんです。曲を聴いて共感して涙を流したりもしました。バイオリンの演奏を聴いたり、サッカーの試合を見て、心が揺さぶられたら夢が変わった可能性もあったでしょうが(笑)よく聞く曲、印象深く見た映画のアーティストと絆を感じる姿が僕も不思議でした。



演技者デビューは、昔から計画していたことでしょう。必ず映画でデビューしたいと願っていましたか?


映画だったら、独立系の映画がいいなと思っていました。長い呼吸で演技をしたかったんですよ。親しい学校の先輩たちが独立系の映画に多く出演していて、僕には見知らぬジャンルではなかったので。 『グローリーデイ』のシナリオを読んで、フィルモグラフィーの最初の作品として残したかったんです。




祖母を一人残して軍隊に行かなければならないサンウを初めて見たときにどのよう思いましたか?各自のキャラクターを想像して肉付けしていく過程が違うでしょう。


まだ僕の演技の評価も出ていないのに、こんな質問を受けると非常に悩みます。僕は一生懸命務めましたが、そう見えないこともありますからね(笑)サンウは登場部分は少ないですが、いろんな姿を見せることができる役割です。ですが、インタビューや広報が、僕が言ったことに比べて、とても大げさに表現されるので注意します(EXOとして活動し、誠実に積み重ねてきたことがありますから)サンウが祖母に手紙を書くのですが、その手紙を毎朝読んで撮影現場に行きました。手紙に含まれた感情を維持したくて、携帯電話も見ず、周囲の人との日常的な会話もしませんでした。



演技する時はアドリブを頻繁に駆使するスタイルではないですか?

僕に与えられたミッションのようです。歌を歌う時もアドリブを上手く入れる方ではないです。演技だとキャラクターごとに違うのではないでしょうか?コミカルではしゃいだキャラクターはアドリブがより自由に出てくると思います。『グローリーデイ』では新人なので、現場の雰囲気もよく分からず、相談せずにアドリブしたことはありませんでした。監督に必ず最初に意見を求めました。アドリブを自由自在に駆使するシーンを撮っても選択の幅が広がりますが、まだその余裕はなかったです。



ステージの上のスホさんも誠実なアーティストだと思いますが、本来の意図に忠実に完成度を高めるタイプですね。


できるなら、完璧に合わせたいです。ステージでは綿密な構成と動線があるでしょう。団体でメンバーも多いから、自分の位置を守ることが重要です。演技は、より自由で感性的で形を変えることができ、見る人も感情移入がよくできるのではないかと思います。




《反転する男、スホの魅力探求生活》
音楽の勉強を休まず、運動も熱心にして、好きな人たちに会って遊ぶのが好きなスホ
まだ知られざる魅力があふれているこの男。


最近感情移入した本や映画は何ですか?


『サッカー王』を楽しく見ました。サッカーを素材にした、ユニークなストーリーと監督の演出が魅力的でした。僕と笑いのツボがよく合って、監督とも一度作業をしてみたくなりました。



俳優キム・ジュンミョンとして、釜山国際映画祭にも参加して製作発表の舞台に上がる気持ちはどうでしたか?


演技者を夢見て想像していた姿だ、と感謝しました。釜山国際映画祭に行って、僕は非常に小さな存在であることを感じました。限りなく小さくなって萎縮して落ち込みましたが、当然のように受け入れなければならないと思います。人間キム・ジュンミョンとして一歩一歩成熟したいです。



最近気持ち良かった瞬間はいつですか?


いつお見せできるかどうか分からないですが、一人で音楽の勉強を休まずしています。先日、親しい作曲家のヒョンが歌を聞かせながら演奏をしてくれたんです。その時に意見を交わして、とても気持ちが良かったです。歌が本当に心に染みました。



スホさんが好きなものについて自由に話してみますか?


表面に現れるイメージとマッチする部分もあると思います。本をよく読む方ではないけれど努力する方で、運動を熱心にします。会う人々は限定されてますが、頻繁に会います。最近は映画とドラマを可能ならばたくさん見ようとしてます。よく言われる“マッチョスタイル”を目指してはいないけれど、男らしくなったという話もよく聞きます。『グローリーデイ』のスタッフは僕に対して“サンナムジャ(男の中の男)”と言ってました。後ろから準備する姿を見て言っているような気もしてます。



非常に慎重な人ですか?ゆっくりと言葉を選びながら話しますね。


どうしても映画公開前なのでそうなってしまうんだと思います(笑)僕は“言葉”より“行動”がより重要だと思います。インタビューが嫌いという訳ではないんです。演技でも歌でも下手に言葉を最初に吐き出すと、後で実現できない可能性もありますから。“行動”で示し、後で説明する方が合っているようです。



私たちは、今後、EXOのリーダースホであり、俳優のキム・ジュンミョンの何を見ることができるでしょうか?


「キム・ジュンミョンがEXOのスホ? 」という言葉が出てくることができるよう、様々な姿をたくさん見せるのが僕の目標です。より謙遜し、もう一歩進むことができるように努力するつもりです。