HIGH CUT #246 インタビュー スホの裏面

ーースホの裏面

ガラスのような目つきと笑顔のあと、繊細で魅力的なスホの顔が明らかになった瞬間


いつのまにか7年の歳月を彩り、EXOのリーダー、スホもそれだけの変化を迎えた。 映画2本、ドラマ1本、ミュージカル2本と「スーパーアイドル」を超えた領域に自分の存在感をじわじわ拡張しているところである。その方法は極めて堅実だ。自身がどういった人物なのか、何が好きかを明確に知ってから実行する。 正しく着実に見えるイメージの裏側から、沸々と大きくなる熱い欲求がその原動力。 その熱はEXOとメンバーたち、演技や友人、動物たちへの愛にまで含まれる。 すべての確信を背中に担いだ旅人のスホは、自分の前に置かれた道が何であれ、自信に満ちて完走しようとしている。


ーー昨年6月の『女子中学生A』の撮影以来、ハイカットではほぼ1年ぶりに会うこととなる。 当時は目が回るほど忙しかったと記憶しているが、最近はどのような時間を過ごしているのか。


もうそんなに経ったなんて。ハハ。相変わらず忙しいが、最近はほとんどEXOのコンサートやアルバム準備に集中しているので、当時より体も心も余裕があると思う。


ーー先日「堤川国際音楽映画祭(2019)」へ行ってきた。『女子中学生A』で"今年の発見賞"の受賞もあった。堤川での時間が特別だったようだ。

翌日香港でのコンサートスケジュールがあったので、急いで行くことになったのが少し残念だ。 それでもトッカルビが美味しくていっぱい食べたし、他の俳優の先輩方、監督とも挨拶を交わすことができた。 少女時代スヨンヌナにも会った。 ほぼ10年程知った仲なのに、偶然にも共に受賞できたのが嬉しかった。 短くても濃い、意味深い時間だった。


ーー最近スホの歩みからちょっとユニークだと思ったのは、大邱ミュージカル広報大使や順天湾世界動物映画祭の広報大使など「プロ広報大使(?)」として活動しているという点だ。自らが本当に好きで、このような活動をしている気がした。

映画やミュージカルが本当に大好きで。機会があり、時間があれば、是非やりたかった。昨年と一昨年はスケジュールが合わなくてできなかったので。できる限り、僕が少しでも役に立つなら、このような良い映画祭や良い音楽フェスティバルもあるということを知ってくれたら嬉しいという想いで快く引き受けた。


ーー映画と音楽に対しては十分知っているが「動物」への愛情も大きいようだ。

実際人よりも重要なのが環境や動物だと思う。 隣近所や周囲の人の面倒を見ることも重要だけど、環境に対する保護が何よりも重要だ。 最近人々は、動物や環境をあまりにも簡単に考えて、簡単に傷つけるようなので。


ーースホも飼い犬を育ててるのでは?ヨークシャーテリア「ビョリ」の安否も気になる。

ハハ。実家で育てているときはずっと一緒に居たけど、最近はあんまり会えなくて...(涙)

ーー徐々に活動領域が広がっている。EXOのリーダーとしての役割もしっかりこなしており、演技、ミュージカル、広報大使活動まで本当に様々な分野で「ヨルイル(熱心に仕事をする)」しているでしょう。 自らスペクトルが広がっているということを感じているのか。


スペクトルがどの程度広がったと話すこともできるけど、それよりも各活動が一つに全て連結されているという感じがさらに強くなってきた。何かひとつだけ上手くできないというより、不思議なことに各分野がお互いに助け合っている。 全て好きなことだったりもして。 趣味では写真も好きで、絵画にも関心があって、絵は全く描けないけど...。 周囲から1回やってみたら?と言われるけど、絵は絶対にできないと思う。ハハ。


ーー好きだけど上手にできない絵の代わりに、SNSのサブアカウントを作って直接撮った写真をファンと共有することもおもしろいと思うけど?

それもすごくいいけど、時間があまりにもない。ハハ。本業を熱心にこなすだけで本当に忙しくて...。僕のインスタグラムのアカウントを1つ管理することだけでも大変なので。ハァ。


ーーもちろんファンはスホのすべての魅力を一つ一つ分かっているだろうけど、大衆はスホを純朴で正しい、模範的なイメージで見ているようだ。 しかし、スホの歩みをもう少し深く見てみると欲もかなり多く、したいことも多い人ということが分かるように思える。

模範的というか、そういったイメージは僕の印象に多くの影響を与えるようだ。実際には僕の好きなことに対する欲も多く、熾烈に生きるタイプなので。徐々に様々なジャンルに挑戦して、EXOの活動とは別の見知らぬ経験をするようになり、自分に対して新たに発見したりもして。ますます欲が増えていって大変だ。笑


ーーそんな欲と意欲を放出する方法は?

変わった方法だけど、小さな目標から大きな目標まで計画を立てて、きちんと実行していくことだ。一つの小さな目標を成し遂げた時の達成感というか。 自らに対する信頼のようなものが生じて、それが大きな目標に向かって行ける力になる。 実際、計画と言っても大したものはない。 例えば「体を作ってコンサートの時にさらに素敵な姿を見せる」という目標があれば、1日に1時間ずつ必ず運動して、少しずつ体が良くなる様子を見ながら、1日の達成感を得る。 その後、それが2ヶ月積み重って、コンサートの時に最終的にできるようになる。「アクション映画を撮りたい」というもっと大きな目標生じても「毎日運動をする」という小さな目標でそこまで到達することができるようにする。 すぐにアクション映画の仕事が入って来ても、体は準備ができているから。 そんな目標を少しずつ立てて、チャンスが来ればキャッチできるように作っておくほうだ。


ーー次に、最近その欲を最も表出しているのは?

どうしてもEXOの活動になる。 久しぶりに映画や音楽などの他の作品活動と並行せずに、完全にコンサートとアルバムの準備をメンバーたちと一緒に集中することができた。


ーーディオとシウミンの入隊でEXOがある程度の変化を迎えた。リーダーとして世代が変わったことを実感することもある。


10代でデビューした末っ子のセフンががすでに26になったので、時間がそんなに経ったんだなと。 みんな年齢も重ね、それによって作られた成熟した姿をステージの上でよく表現していると思う。 また、メンバーたちが個人的にしたい音楽や演技など、そういったものを各自の方法で上手くやっているようでとても満たされる。


ーー入隊したメンバーたちの空白をどのように補おうとしているのか。

いないメンバーの空白を他のメンバーたちが自ら負担や責任感を感じて満たしてくれている。 シウミンが観覧席でコンサートのステージを見て「とても安心できて頼もしかった」と話してくれたくらいだから。


ーーそれでもメンバーたちの空白が最も大きく感じられる瞬間は。

どうしても集まるたびに人数が少なく見えるので、いつも「全員集まった?おかしいな…」ということが(笑)そんな見慣れなさと少しの寂しさがある。


ーー2人のメンバーの入隊前、メンバー同士どんな話をしたのかも気になる。

実際そんな"ディープ"で慎重な話はしなかった。 ただお互い「健康でいよう」という話をたくさんした。 健康が一番だ。

ーー『グローリーデイ』『女子中学生A』『リッチマン』など、これまで彩られた青春の話から成長ストーリー、ロマンチックコメディまで、各々カラーの違った作品を演じてきた。 それ以降の俳優スホはどのような姿を見せなければならないと思ったのか。


特にそういうことを決めておく方ではない。 ただ人が生きる話をお届けすることができたらいい。毎日会うことができるの周りの人の話や、多くの人が知らずに過ぎていった日常的で平凡な話を描いた作品であれば面白いんじゃないかと思う。


ーー演技をしながら、いちばん楽しさを感じる瞬間は?

やはり相手俳優との呼吸がパッと合うと感じた時だ。それがステージ上とは違う演技だけの面白い経験だ。 一人ではいくら台本を覗いてみてもよく見えなかったものが、相手と合わせてみるとすごく見えてきて呼吸が合う。 ある種のアドリブやリアクションのようなものが自然と出るときは特に不思議でおもしろい。


ーー『笑う男』『ザ・ラストキス』まで、いつの間にかミュージカルも2作品経験した。 ミュージカルは、別の楽しみがあるのでは。

ミュージカルは、実際に組まれたルーティン通りに演技しなければならない。 ずっと繰り返して演技する形式であるため、何かが変われば相手が困惑し、それが迷惑になることがある。 それでもしっかりと組まれた約束されたものの中で、毎回違った感じの呼吸を出すことができる、そんな特別な面白みがある。


ーー大衆の反応をよく検索して見るほうなのか。 もしそうであるなら、歌手や俳優活動、どちらがより気になるかも知りたい。

両方ともフィードバックをよく探してみる方だ。 二つの分野の違いを話すのであれば、このようなことがある。 EXOはメンバーたちと一緒に活動し、チームとして見てみると、僕はうまくやっても分からないミスをしても、ある程度補完されている場合がある。 互いに頼りながら更に良い相乗効果を出せたりもするので。反面、演技は100%の自分が見られる。 賞賛でも酷評でも、そんな反応が集中的に僕に注がれるから、より負担になるのは事実だ。


ーー20代の最後の時間を過ごしている。 最近友人同士と会ったときの話題は何なのか。 通常の同年代の青春のように、30代に変わることに対する恐怖やときめきに関する話をするのか?

学校に早く入ったので、僕の友人はほとんど今年年齢が30になる。 だから自分でも30と思って過ごしてきたからか、年齢での大きな心配や負担はない。 むしろ仕事がこのような系列が多いため、演技や作品の話をする。 また、みんな歩き回るのが好きで「どこがいいよ」「エキゾチックだったよ」と場所の話を思ったより多くしたりして。みんな遊びに行く時間があんまりないので、お互いに撮った写真を見たりして主に話している。


ーーそれでも「こうして年齢を重ねていかなければ」というような方式に対して考えてみたことがあるのでは。

引き続き、何かを夢見て実行して、開発的で創造的な仕事を続けていくこと。 それならば、本当に年齢の観念は特に重要ではないと思う。 実際、最近はみんな自己管理が上手くなったおかげで外見やマインドが全体的に若くなっている。 今は100歳時代を超えて長生きするようだけど、それでも少し心配なのは"YouTube"に追いつかないことで...


ーー近頃の"YouTube型人間"ではないようだね?

ハハ。実は面白さがよく分からなくて。文章は読みながらいくつかの部分を"スキップ"しても問題なく流れの感じが掴めるのに、映像はスキップすると、その間に僕は逃した巨大な何かがあるような変な心配(?)が生じて。また、YouTubeの映像を見ていると、時間があまりにも早く過ぎていくことも嫌いで。 映画もドラマも見て、しなければならないことが多い...だから興味がちょっと湧かなくて。ハハ。


ーーかなりアナログ的な面があると。 そのためか映画は時間を作ってでも見ると、過去のHIGH CUTのインタビューを通じて明らかにしていた。 その時は『スリービルボード』と『シェイプ・オブ・ウォーター:愛の形』を"イチオシ"していた。 最近はどんな映画をお勧めしたいか。

最近もジャンル問わず週に3本以上は見ている。ハハ。 新たにお勧めしたいのは『パク・ファヨン』と『デルタボーイズ』だ。今の現実をよく反映した映画だ。 『パク・ファヨン』は、個人的に心が痛くて辛かった。『デルタボーイズ』は平凡に生きたいと考えている人に肯定的なエネルギーを与えることができると思う。クスッと笑みが溢れるようなエキサイティングな映画だ。 どちらも公開されて結構経っているけど、見ていないのであれば是非お勧めする。


ーー今年の夏も、もう終わろうとしている。 今年の秋はスホにとってどのような秋になると良いか。

うーん(斬新な表現を悩んで)。 カエデの葉のように赤く黄色く、きれいな色で僕がそっと染まってくれたら嬉しい。 さらに成熟し沢山実るようなそんな豊かな秋になると、さらによし。